農福連携ワンストップ窓口
~農業と福祉の双方がWin-Winの関係に!~


障害のある人の就労と福祉事業所

農福連携の初めの一歩は、障害のある人のことを理解することです。例えば、話すことは苦手だけれどコツコツと一つの作業をすることが得意だったり、足が不自由でも事務作業がスピーディーだったり、障害を抱える方には一人ひとりに特性=個性があるのです。

主な障害

身体障害

視覚障害、聴覚障害、音声・言語障害、肢体不自由、内部障害(内蔵機能など)の5つに分類。先天的・後天的に音が聞こえにくかったり、歩行が難しかったりする人などを指します。

知的障害

記憶や知覚、判断といった知的機能の発達に遅れが見られ、社会生活への適応が難しい状態。身の回りのことを行うのに支障が少ない軽度から、介護が必要な最重度まで4段階に分かれます。

精神障害

さまざまな原因による精神疾患によって日常生活に制約がある状態。統合失調症やうつ病、躁うつ病といった気分障害、神経症、パニック障害、適応障害など多種多彩な症状が該当します。

発達障害

先天性の脳の機能障害が原因で、自閉症スペクトラム、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、吃音(症)などが幼少期のうちに起こります。個人差が大きいところが特徴です。

就労系福祉サービス事業所(福祉事業所)

障害のある人は、企業等に雇用され、社会の中で自立して生活していくことが望まれます。しかしながら、雇用に結びつかない、もしくは雇用されても辞めてしまったりなど、引き続き訓練が必要な方もいます。障害者自立支援法では、就労支援事業として、訓練等給付により、次のような支援(サービス)が提供されています。

就労移行支援

対象者
就労を希望する65歳未満の障害のある人で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者
利用者像
  • 特別支援学校を卒業したが、就労に必要な体力や準備が不足しているため、これらを身につけたい
  • 就労していたが、体力や職場の適性などの理由で離職した。再度、訓練を受けて、適性にあった職場で働きたい
  • 障害福祉サービス事業所等を退所し、就労したいが、必要な体力や職業能力等が不足しているため、これらを身につけたい
サービス内容
一般就労等への移行に向けて、障害福祉サービス事業所等内や企業における作業・実習、適性に合った職場探し、就職後の職場定着支援を実施

就労継続支援A型(A型事業所)

対象者
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者
利用者像
  • 特別支援学校を卒業して就労を希望するが、一般就労するには必要な体力や職業能力が不足している
  • 一般就労していたが、体力や能力などの理由で離職した。再度、就労の機会を通して、能力等を高めたい
  • 障害福祉サービス事業所等を退所して就労を希望するが、一般就労するには必要な体力や職業能力が不足している
サービス内容
  • 通所により、原則雇用契約に基づく就労の機会を提供
  • 一般就労に必要な知識、能力が高まった者について支援
備考
A型事業所の利用者は、事業所と雇用契約を締結しているため、利用者に対して最低賃金以上の賃金を支払う必要があります。

就労継続支援B型(B型事業所)

対象者
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難である者
利用者像
  • 就労移行支援事業を利用したが、必要な体力や職業能力の不足等により、就労に結びつかなかった
  • 一般就労していて、年齢や体力などの理由で離職したが、生産活動を続けたい
  • 障害福祉サービス事業所等を退所するが、50歳に達しており就労は困難
サービス内容
  • 障害福祉サービス事業所等内において、就労の機会や生産活動の機会を提供(雇用契約は結ばない)
  • 一般就労に向けた支援
備考
B型事業所の利用者は、事業所と雇用契約を締結しているわけではありません。利用者は作業内容に応じて工賃を事業所から支給されます。障害がある人の自立した生活を考えると最低30,000円以上の工賃が望まれますが、現状では16,000円程度にとどまっています。

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